初心者アラフォーライダーが世界最高峰のロングライド•ヒルクライムイベントに挑戦したまとめ。国内、海外ツアーの参加方法、費用をまとめました。
追記
2020年のエタップ開催地はニースだそうです。
距離は長めですが獲得標高はそこまで多く無いように見えます。
同行家族はビーチでのんびりでのエタップ挑戦もいいんじゃないでしょうか。
エタップ・デュ・ツール(Etape de tour de France)とは
サッカーのW杯、オリンピックと並んで世界3大スポーツイベントと挙げられるツール・ド・フランス。ツール〜は毎年7月にフランスや周辺国を舞台にして行われる自転車ロードレースです。
ロードレースは弱虫ペダルなどで日本でも人気が高まっていますが、まだまだプレー人口は多くはない気がします。かたや世界ではかなりの人気スポーツで、ツール・ド・フランスのテレビ中継は毎年世界で30億人くらいが見てるいるらしいです。
レースは20日間強の日程で行われ、平坦なコースだけでなくピレネー、アルプス山脈などの山岳コースを含む合計3500km程の超過酷レース。
今回参加したエタップ・デュ・ツールは、正式にはEtape de tour de Franceといい、日本語でいうとツール・ド・フランスの一つのステージ(コース)という意味で、そのステージを一般人が走ることができるサイクルイベントです。
距離は150km程度でロングライドとしてはそこまで長くないですが、コースは基本的に山岳コースで獲得標高は4000メートル以上とかなり厳しめ。海抜0メートルから富士山山頂まで登ってもまだ足りないくらい。。
昔はスペインとの国境付近のピレネーステージのイベントもありましたが、ここ数年はアルプスのみです。
ちなみにアルプスは位置的にはフランスとイタリアとスイスの交わるあたりです。
ちなみに今年のコースはこちら
・アルベールビルからヴァルトランス(アルベールビルは92年に冬季五輪があったところ)
・走行距離 135km
・獲得標高 4563m(富士山と高尾山足しても足りないくらい…)
このコースは2019年のツールドフランス の第20ステージで文字通り山場になるはずでした。私が走った1週間後に本番のツールドフランス (プロ走者)が走る予定でしたが、直前の土砂崩れで実際のコースは大幅に短縮されました。確かに険しいコースでしたが、そんなことになるとは。
どうやって参加したか?
アルプスで開催されるので最寄りの空港は都市で言うとジュネーブ、リヨン、トリノあたりです。いずれも日本からの直行便はありません。
どの都市に行けばいいかといえば、レースのスタートがフランスであってもフランスの都市からだと遠回りなケースが多いので何とも言えないところです。それと3つとも大きな都市ではありますが、ジュネーブは国際機関が多いので飛行機の便数が圧倒的に多く、選択肢が多いので多少の距離の違いであればジュネーブが拠点になると思います。
今回はパリからTGVでジュネーブへ。羽田→パリはエールフランスの深夜便が時間を有効に使えるので便利でした。木曜日の仕事を終えて深夜便で飛び、金曜の朝に到着しました。
機内ではとにかく寝て、到着ラウンジでシャワーを浴びて時差ボケを調整しました。
日本から欧州行きの深夜便はJALだとロンドン行き、ANAだとフランクフルト、ウィーン行きが出ています。トランジットで観光したい場合は経由先で選ぶのもいいかもしれません。ウィーンはヨーロッパの中でも好きな都市のひとつです。
ちなみにパリ−ジュネーブはTGVで3時間程、一等車でも料金は50ユーロ程でした。バカンス時期は混むので早めの予約をおすすめします。
参加方法は全て自力で手配するのとツアーに頼る方法があります。
全て自力の場合
まず10月末頃に翌年7月の大会の募集が始まるので、それに申し込むところからです。Time toという団体が主催なのでチェックして見てください。
1万数千人が参加しますが、毎年募集開始してからすぐに定員に達してしまうので要注意です。
自力以外の場合も旅行会社からアクセスコードをもらって上記のサイトで出場登録することなります。
登録時には必要ありませんが、フランスのスポーツ大会ではMedical Certificate(健康である証明)の提出が求められます。こちらは英仏のフォーマットがあるので、それを証明書を書いてくれるクリニックに持っていけば書いてくれます。都内だと7000円くらいだと思います。
自力の場合はホテルも予約が必要ですが、こちらも募集開始と同時にスタート・ゴール地点ともに埋まってしまうので瞬発力が大事です。
あと空港からスタート地点までのレンタカーを借りたりする必要があると思います。日本から自転車持って行って、車を運転して、、は結構ハードだと思います。
ツアー会社の場合
日本、ヨーロッパともにエタップ・デュ・ツールを扱うツアー会社があります。
国内では国際興業トラベル、海外ではRonan Pensec Travel、Custom Gateways、Trek Travelなどがツアーを提供しています。
国際興業トラベルは年によっては実際のツールドフランス を見る日を設定していたりします。他の旅行会社は基本的にはエタップ・デュ・ツールの参加だけというものです。わざわざ日本から行くので実際のツールを見るのもいいかもしれません。
私はフランスで何度か見ましたが、プロのレーサーが走るのは一瞬ですが、その前のキャラバン隊のお祭り騒ぎなど面白かったです。
どのツアーも大会参加権、大会最寄の空港からスタート地点、ゴール地点から最寄空港までの送迎とホテルが含まれていると思います。
ツアー会社は大会参加申し込み枠を持っているので、自力の場合と違ってTime to(主催社)が一杯になった後でも申し込みが可能です(もちろんツアー会社の枠が一杯になればダメですが)。
ざっくりと国内外ツアー会社の費用比較
私が参加したフランスのツアー会社と日本の自転車ツアーで有名な会社の比較です。
日本のツアーは日本語でのサポートがあるとは言え、食費、レンタルサイクルも無いのに高めの印象。。フランスの会社は英語が話せれば問題ありませんでした。
注)両方とも日本からジュネーブの航空券は含んでいません。下の値段に日本−ジュネーブの値段を足せば旅行金額の目安になります。東京−ジュネーブは15万円くらいかと思います。
中東経由は安いですが時間がかかります。ロシア経由はお得で時間も節約できます。
日本のツアー会社
※食事は入っていないので別途必要
フランスのツアー会社
※ホテルの食事が朝夕計4食付き。
私はロードバイクを持っていますが、破損リスクがあるので(特に飛行機での輪行が大嫌い)、こういうイベントではレンタルバイクのサービスを利用しています。
個人的には「レンタルバイク」サービスがあるとサイクルイベント参加のハードルがかなり下がるので、日本のロングライドイベントでもやって欲しいところです。
ちなみに275ユーロで借りたのはこのロードバイク。事前にお願いしておけばビンディングペダルも手配してくれました。
どれぐらい練習した?
ロードバイクには昔から乗っていましたが、子どもが生まれてからのここ数年は外を走るのは年2回くらいです。有名ライダーのエタップ・デュ・ツール参戦までの練習量と比べると雲泥の差。
練習は室内練習のみ
小さい子どもがいることもあって、練習時間、場所ともに限られるので自宅での室内練習だけで挑みました。かなり無謀ですよね。。
こんなトレーナーを後輪につけて、室内でエアロバイクのように漕いで練習しました(40度の真夏のパリの室内で練習した日には、温度湿度とも翌日までこもってヤバかった)。
漕ぐだけでは退屈なのでオンラインサイクリングアプリのZwiftで実走感を高めていました。
Zwift - A set up for all budgets
Zwift上にエタップ・デュ・ツール用の練習クラブもあったので、練習に参加したりしました。
L'Etape du Tour Training Club | Zwift
トレーニング量は?
大会の1ヶ月半前から週4日、平均1.5時間でZwift練習のみ!体重は落ちたけど、外を全く走ってないので物足りなさと不安で一杯。
エタップ・デュ・ツール
大会受付をしたヴィレッジ
ブースが所狭しとあって結構盛り上がっていました。
凱旋門パネル前でのお立ち台記念撮影やツール・ド・フランス の実況体験など色々ありました。このヴィレッジだけでかなりテンションが上がります!
あと大会限定ジャージや補給食がたくさん売られているので、日本からは手ぶら行きここで調達するのもいいかもしれません。個人的にはRaphaの限定ジャージが毎年カッコよくてオススメ。
参加特典の戦利品
スタート地点横のアルベールビル五輪聖火台
レース本番
朝7時頃から順次スタート。1万数千人いるのでスタートするまで結構時間がかかります。 なるべく早めのスタートがオススメ(上級者ほど早いスタートのシステム)
序盤の山場 Cornet de Roselend
この辺りは気温が涼しかったので全然余裕でした。景色を楽しむ余裕がこの時まではありました。。
午後の気温が上がった時間帯の登りは地獄でした、、
日本のロングライドイベントでは地元の美味しいものが提供されたりしますが、こちらの補給食は素朴な感じ。塩分不足の状態で食べる生ハムは格別でした。
疲れてきた後半は写真が全くありません。。登りはもちろん辛いですが下りは下りで恐怖でした。崖から飛び出ないようにブレーキを握りっぱなしで降りるので、最後の方は握力がありませんでした。それでも最高時速55km以上は出てました。
疲労困憊でしたが観客の「Allez、allez!(日本語で行け!行け!)」の応援でなんと持ち堪えました。ツールド東北や佐渡ロングライドなどでもそうでしたが、沿道の応援は嬉しいです。
10時間以上も自転車に乗っていると、日本から到着してすぐの参加ですと、時差の関係で現地の夕方(日本時間の深夜)辺りは睡魔もきついと思います。少し早めに入って時差ボケを直すともっと楽かもしれません。
結果は12時間で無事完走!
こんなライダーでさえ行けたので皆さんも是非!
アルベールビルみたいな田舎だと家族連れでは家族が暇すぎて辛いですが、アヌシー(アルプスのリゾート地)がスタート・ゴールであれば家族連れで来るのも選択肢になるかなと思います。
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